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2007/08/22

ホーボーズ・ララバイ

日曜日の遅番勤務は、一階の体育室以外の部屋の貸し出しは全く無く、夜の部が始まる前に二階、三階の戸締りを点検を済ませ、二階のレストランが終了後、エレベーターの扉の前と階段の入り口を遮蔽し、後はゆったりした気分で仕事が出来た。先月は時間が無くて出来なかったマイドキュメントのバックアップも実施出来た。そして閉館前に冷房機の停止に行き、念の為にもう一度戸締りの確認をと思い、二階の非常口のドアを開けたら、20センチくらしか開かない!ギョッとして懐中電灯で照らしてドアの外を見たら、ホームレスの人がドアの外、非常階段の踊り場で寝ていたのだった。

猛暑の名残のあるコンクリートの上に寝ているなんて!しかし、立ち入り禁止の注意札の掛かった門扉を開けて入って居たので、犯罪になってしまう。「ここは、お巡りさんに巡回を頼んであるので、早く立ち退いて下さい」と注意すると、私が向けた懐中電灯の光を手で遮りながら、眠たげな声で「はい、済みません」と言った。また何処か身体を横たえられる所を探して、夜の街を彷徨うのだろう。

こういう場面に出くわすと、明日は我が身だと思う。人間、歯車が一つ噛みあわなくなったら、がらっと境涯が変わることは往々にしてある。それは私にも起こったし、これからも又起こり得ることなのだ。最近は家の近くでもホームレスの人を見かける事が多いし、中には老境に差し掛かった女性もいる。どんな理由でホームレスになったのか?お金のことだったり、人間関係だったり、家族や親戚とのトラブルだったり、理由は様々だろう。定まった住所がないと職には就けないから、定収入は得られないだろうし・・・。支援する団体や自治体も存在するし、支援を受けて職を得た人も有るようだが、まだほんの僅かだろう。しかしみんなで支え合って、普通の生活に戻れるようになればいいね。

ホーボーズ・ララバイという歌がある。ホーボーとは、アメリカの言葉だろう。貨車に無賃乗車して、行く先々で働きながら流れ歩く人達のことだ。1930年前後からの大恐慌で住む場所や職を失い、また砂嵐や竜巻などの天災で家や農地を失い、流れ歩くようになったホーボー。そんなホーボーに「アーロ・ガスリー」は優しく歌いかける。因みにこの曲の作者はGoebel Reevesという人。

疲れ切った流れ者よ、おやすみ
ゆっくりと街を通り過ぎればいいさ
鋼鉄の線路のハミングが聞こえるかい?
あれが流れ者の子守唄だ

明日のことは考えないことだ
どうせ明日は勝手に来ては去ってゆく
今夜の君は暖かく居心地のいい貨車の中
安全に雨や雪から身をしのげる

君が問題を起こすから僕は警官を知っている
彼らもあちこちで問題を起こしている
でも君が死んで天国に行ったら
そこには警官はいないよ

君の服はすりきれてボロボロ
髪の毛には白いものが混じり始めている
顔を上げて問題に微笑んでごらん
きっといつの日か幸せが見つかるさ

疲れ切った流れ者よ、おやすみ
ゆっくりと街を通り過ぎればいいさ
鋼鉄の線路のハミングが聞こえるかい?
あれが流れ者の子守唄だ

対訳:小倉ゆう子

この曲を初めて聴いたのはアメリカン・フォークソングの父「ウッディー・ガスリー」の息子、「アーロ・ガスリー」のホーボーズ・ララバイというLPだった。ウッディー・ガスリーとガスリーズ・チルドレンのことを引用させてもらった(無断で・・・)。

何時の時代にも、世の中からはみ出してしまう人間がいる。他人は言う「怠け者さ」「ろくでなしだ」「努力が足りないのさ」「汚い」。
彼らをそんなふうに言う人達は、自分は絶対にそんなふうにはならないと思っている。それはそれでいい。何をどう思おうとそれはその人の勝手だから・・・。
でもその心無い一言が、子供にも影響を与え、子供たちが面白半分に彼らをイジメたり、傷付けたり、中には殺してしまった例もある。川原で寝ているところ、火を付けられ大火傷を負って殺された事もあるし、金属バットや棒で殴り殺された例もある。罪は何処に有るのか?誰に有るのか?

「ここで寝てはいけない」「何処か別の所へ行ってくれ」と言われないで、彼らが安心して眠れる夜は来るのだろうか?

私は彼らに出会う度に「ホーボーズ・ララバイ」を思い出す。
疲れ切った流れ者よ、おやすみ・・・。

このアルバムは私の生涯の友だ。それも最高の!
もし借りることが出来たり、手に入れることが出来るなら、是非聴いて下さい。選曲もいいし、バックアップしている人達も凄い。あの時代の最高のミュージシャン達が煌めく星の如く参加しているアルバムなのだ!このアルバムに参加している彼等や彼女たちは皆、ウッディー・ガスリーの曲を聴いて育った人達なのだろうし、敬愛するウッディー・ガスリーの息子、アーロの為に参加したのだと思う。

今日も読んでくれてありがとう 感謝を込めて おっちゃん拝

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コメント

おっちゃん、こんばんは!
今日も暑かったですね。
"ホーボー"といえば、"ホワイト・ファング(和名・荒野の呼び声)(映画にもなりましたがB級以下でした)"を書いた作家ジャック・ロンドンを思い出します。
この作家も、若い頃ホーボーになっていてアメリカ国内をさまよい、刑務所にも入り若い頃を過ごしました。
その体験談は本"ジャック・ロンドン放浪紀"と言う本にもなっていますので機会があればぜひご一読を。
大恐慌時代のアメリカの下級層の貧困を描いたものであれば、作家"レイモンド・カバー"の本も(”眠れない魚は”等)も興味を引きます。
あまり自慢できるほどには本を読んでいませんが、レイモンドカバーは、お勧めです。
音楽では、比較的に新しいのですが、"ブルース・スプリングスティーンのザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード"もいいですよ。

投稿: カニ | 2007/08/22 21:47

カニさん こんばんは。
何時までも猛暑が続いていますが、お変わりないですか?
こちらの耳は、CSN&Y、ザ・バンドあたりで止まってしまっているので、情報有難う御座います。

ブルース・スプリングスティーンもガスリーズ・チルドレンと言ってもいいでしょうね。「ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード」探してみます。ジャック・ロンドンは一冊読んだ記憶があります(狼の話でした)。

レイモンド・カバーも図書館で探して見ることにします。涼しくなったら、またお茶しましょう!

投稿: 高木のおっちゃん | 2007/08/22 23:02

おっちゃん、こんにちは。
私ならどぎまぎして立ちすくんでしまうでしょうね。

>こういう場面に出くわすと、明日は我が身だと思う。
確かにそのとおりです。こっち側とあっち側には、一体どんな差がある?
ちょっとした気持ちの差だけです。犯罪者との違いも似たようなもの。
かわいそうというよりも自分の危うさを考えてしまいます。

投稿: lagopus55 | 2007/08/27 06:51

lagopus55さん お早う御座います。
>こういう場面に出くわすと、明日は我が身だと思う。
確かにそのとおりです。こっち側とあっち側には、一体どんな差がある?

確固たる立場なんて、平民、凡人の我々には殆ど存在しないのであろうと、この記事を書きながら思いました。だからこそ人生の歯車が正常に回るように、普段から心掛ける以外に道は無いのかも知れませんね。またみんな同じ人間なのだという意識を持ち続けたいですね。

投稿: 高木のおっちゃん | 2007/08/27 10:26

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